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  • 教習ビジネスを変革し業界の
    リーディングカンパニーを目指す

      代表取締役社長


      足立 真哉

「来てもらう講習」から「出向いていく講習」へ

  •  株式会社PCTは、建設業界を中心に、ICT施工講習や、労働安全衛生法に基づく建設機械などの技能講習・特別教育、安全衛生教育およびクレーン免許などの実技教習を行っています。これまで教習ビジネスは、いわゆる“待ち”のビジネスで、講習・教習を受ける方を教習所で待ち受ける形がほとんどでした。

     PCTでは、そのような既存のスタイルを変革したいと考え、講師が受講者のところに出向く「出張講習」を創出しました。実技講習においては、重機などは受講者側のものを使わせてもらうことで対応可能です。そこには、普段使う重機で受講できるというメリットもあります。一方、学科講習においては「リモート講習」を創出しています。講師と受講者をネットワークでつなぎ、受講者は教習所に足を運ぶことなく、PCやスマートフォン、タブレット端末などで、全国どこからでも受講可能です。

     「出張講習」や「リモート講習」を創出した背景には、講師となる人材が不足しているという課題があります。あらゆる業界で少子高齢化に伴う労働人口の減少が問題視されていますが、教習業界も例外ではないのです。

女性講師を育成、ICTを活用し高齢者や外国人の雇用を支援

  •  講師不足という課題を解決する一手として取り組んでいるのが、女性講師の育成です。これまで、講師は男性がほとんどで女性はごく少数でした。そこで、普段事務系の業務を担当している女性社員に対して、稼働が立て込んでいない時期に講師としても稼働することを依頼し、技術や知識の習得に取り組んでもらっています。女性社員は自身の業務領域が広がり、会社としては講師が増えることで事業の拡大が見込まれます。

     一方、受講者についても女性はごく少数です。そこでトライアルとして、受講者を女性に限定する「女性専用コース」を実施しています。これまで受講をちゅうちょされていた女性からは、参加しやすいという声が挙がりました。さらに講師も女性となると、一層の効果が期待できます。

     建設業界などの労働人口減少の課題に対して、期待されているのが高齢者や外国人労働者です。そして、高齢者や外国人の技術習得のカギとなるのがICTです。国土交通省が建設生産システム全体の生産性・安全性を目指す取り組みとして推進しているICT施工は、一見難しいと思われがちですが、本来は技術の習得に時間を要するものを簡単に習得できるようにすることを目指しています。PCTでは、ICT施工講習を行っていて建設工事の全工程におけるICT活用を学ぶことが可能です。それにより、高齢者や外国人をはじめとする人材育成を支援しています。さらにVR技術を活用して、実際に体験することが困難な事故や災害をシミュレーションした講習も試作しています。

ロゴマークに込めた、建設業界の3Kを払しょくしたいという思い

  •  突然ですが、このWebサイトの左上のロゴマークをご覧ください。可愛らしい重機のアイコンとPCTの文字が並びますが、このロゴマークは、「建設業界の3K(きつい、危険、汚い)」のイメージを払しょくしたいという思いを込めて作成しました。色やフォントにも、建設業界のイメージを和らげたいという狙いがあります。

     また、PCTは何の略かと聞かれることがありますが、Pは「人々(people)」で、Tは「トレーニングセンター(training center)であり、Cは以前「建設(construction)」だったのですが、今は「協力(cooperation)」と答えています。そこには、教習ビジネスを通じて、建設業界や製造業界などの、様々な企業に協力していきたい、協業関係を築いていきたいという思いがあります。人々を表す「P」の上にはヘルメットをあしらって、「PCTの教習所で“安全”を学んでいただく」ことをシンボライズしています。

優れた安全講習ノウハウを世界中に展開したい

  •  実は、日本ほど建設業などの安全に関わる法律がしっかりしている国はありません。そのため、日本では教習ビジネスは事業として成立しやすいですが、海外では成立しにくいというジレンマがあります。しかし講習の内容は間違いなくハイレベルであり、世界に誇れるものです。将来的には、日本の優れた安全に関わる教育を世界に発信していきたいという夢があります。

     さらに、PCTが安全に関わる業界のリーディングカンパニーとなり、制度面や仕組みを整備して、教習ビジネスをけん引していきたいという思いも持っています。
     教習ビジネスは、ICT化やDX化をはじめとする変革期を迎えていて、教習事業自体が今後どのように変わっていくかは、分からない部分もあります。しかし、その分可能性は無限に広がっていると感じています。

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